対談を終えて:対話の中から浮かび上がった、保険業界の“次の論点” 

保険毎日新聞創刊80周年という節目に、ボストン コンサルティング グループ 保険プラクティスのグローバルリーダーの高部氏とご一緒に、保険業界の未来について率直な対話をさせていただきました。 

■実際の記事はこちら(https://leadinx.co.jp/news/media/20251212/) 

当日は短い時間ではありましたが、私自身にとっても多くの示唆と気づきをいただく場となりました。 
特に印象的だったのは、AIやクラウドの進展と、保険業界の制度・規制の在り方をどう接続していくかというテーマについて、現場の実務と制度設計の両者の視点で立体的に議論できたことです。 
私たちリードインクスは現場起点でのDXを支援する立場にありますが、対話の中で高部氏が繰り返し強調された「信頼の構造を再設計する」という視点は、今後の業界全体に必要な問いだと再認識しました。 

保険を“信頼のインフラ”に 

紙面では語りきれなかったテーマのひとつに、「信頼とデータ主権」の交差点に保険がどう存在すべきか、という問いがあります。 
これからの保険サービスは、“何を保障するか”だけではなく、“誰がその人を理解し、守れるか”というエンゲージメント構造が重要になります。

個人のライフスタイル、価値観、嗜好、それらが全て“データ”として可視化される時代において、保険は「安心をパーソナライズする技術」として進化すべきだと考えています。そのためには、保障そのものが柔軟でなければなりません。

スマホのようにキャリアやプランを変えるように、中に入っているアプリも買い切り、サブスク、オプションを自由に構成できるように、保険も“必要なときに足し引きできる”ものであってよいはずです。 
乗り換えや比較、最適化をもっと当たり前にしていく。 
そのような“使われる保険”を支える仕組みこそ、リードインクスが目指すインフラ像です。 

リードインクスが描く「次の常識」 

対談の最後でもお話ししましたが、保険は“補償”という機能だけではなく、“社会との接点”でこそ進化するサービスだと考えています。 
たとえば、高齢化、災害、医療コストの増大といった社会課題に対して、保険が持つ「データ」「予測」「支援」の力でカバーできる事がさらに増えてくると感じています。 

我々は、保険会社様、保険代理店様、プラットフォーマー、地域行政そして官公庁とも連携しながら、 
「保険をもっと自由に、もっと自然に、もっと信頼されるかたちで」社会に根づかせていく未来を描いています。 
それが、リードインクスの“AIとデジタルの力で保険の可能性を広げる”という想いの根幹です。 

乗り換えがもっと自由に、もっと簡単にできるようになれば、保険は他の金融や生活サービスと並び、“選ばれる存在”へと進化するはずです。 
その実現には、業界全体での構造改革――チャネル、システム、報酬モデルの見直しなどを通じた“顧客本位の再設計”が不可欠です。 

私たちリードインクスは、その変化を後押しする共創パートナーとして、これからも現場と未来の橋渡しを担っていきたいと考えています。 

ボストン コンサルティング グループ 高部氏より

今回、保険毎日新聞様とリードインクス様には、貴重な機会にお声掛け頂き大変感謝しております。
特に柏岡様からは、テクノロジーでイノベーションを起こしていく視点から興味深い観点を多数頂きました。改めまして感謝申し上げます。 

議論を経て私が改めて感じましたのは、データ自体とデータを預かる信頼の構築がますます重要になっていくという点です。
データは従来から重要と言われていますが、Agentic AIの登場により、検索機能、ポータル機能が中抜きされていく世界が創造されていくにあたり、企業にとってもWebのインターフェイスの重要性が下がり、AIとそれを支えるデータへの投資が増えていく必要があると考えます。顧客の代理人として情報を探しに来るAgentに対し効果的に情報を提供し、ビジネスを作っていくのかが問われます。 

また、Agentを効果的に機能させるには、多数のデータをどう顧客から預かって活用するか、データを預けてもらう信頼性というものも改めて問われていきます。業界として真に顧客の人生に寄りそうことを考え、どのようにテクノロジーを進化させ、データ・テクノロジー企業として進化していくか、が保険業界各社にますます問われていくと思います。
グローバルの保険業界の経営者の皆様と意見交換させて頂くと、このような超高速で進むテクノロジーの変化を前提に、どのように中長期目線で社会をよくしていくのか、という論点を議論させて頂くことが増えております。私含めボストン コンサルティング グループ(BCG)も、そのような経営を担う皆様のお役に今まで以上に立って行けるよう精進していきたいと思っております。 

執筆者

代表取締役社長 兼 CEO
柏岡 潤
経歴
ソフトバンクBB(現:ソフトバンク)入社後、法人・個人向け営業を経て、保険業界のDXを推進するインシュアテック領域の事業開発を担当。現在はフィンテック事業を統括するとともに、リードインクス社長として保険×テクノロジーの革新に挑む。