導入事例

究極のユーザー視点で保険の当たり前を変える

PayPay保険サービス株式会社 
代表取締役社長CEO 兵頭 裕 様

PayPay保険サービス

事業内容 損害保険代理業務、生命保険募集に関する 業務、少額短期保険募集に関する業務
URL https://www.paypay-insurance.co.jp/
導入システム Fusion(フュージョン)

今ある保険ではなく、ユーザーに必要とされる保険をつくる

まずはじめに、兵頭様のご経歴について教えてください。

新卒で損害保険会社に入って、12年ほど働いた後に、ヤフーに入社しました。
当時はネットの黎明期だったので、ネットの事業に携わりたいということで、新規事業を立ち上げる部門にいまして、その中で、「Yahoo!保険」という今の「PayPayほけん」の前身の事業を自分たちで立ち上げました。その後、ECサービスや複数の事業会社で経験を積んで、2018年にヤフーの保険事業に戻り、2021年から現在のPayPay保険サービス株式会社の代表取締役社長CEOを務めています。

PayPay保険サービス様の主な事業内容について教えてください。

まず基本的には、保険代理店として、保険を販売して手数料をいただくという代理店業なのですが、もう一つ特徴的なのが、Yahoo! JAPANの各サービスやPayPayアプリで販売している保険の企画です。我々側で保険商品の案を企画して、それに近い保険商品を持っている、あるいは新たに認可を取ってくれる保険会社さんを探して、一緒に商品企画を行っています。従来からある保険を売るのではなくて、「売りたい保険を新しくつくったり、売りたい保険を持っている保険会社さんと一緒にやる」というのが従来の保険代理店と大きく違う点です。とにかく「ユーザーのニーズを考えて、それにかなった保険商品を販売する」というところが、通常の保険代理店業とは違う点かなと思っています。

どのような企画をされてきたのかについて教えてください。

これまでに企画した主なサービスとしては、Yahoo! JAPANの各サービスで提供している「シナリオ型保険」とPayPayのミニアプリ上での「マーケットプレイス型保険」です。これらのサービスにおいては、保険会社側とのシステム連携において「Fusion」を導入しています。
「シナリオ型保険」では、「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」上で加入できる「あんしん修理保険」や、「Yahoo!トラベル」上で加入できる「宿泊キャンセル保険」などを展開しています。「マーケットプレイス型保険」では、PayPayのミニアプリ上で加入できる「あんしんドライブ」(ドライバー保険)、「あんしん自転車」(自転車保険)、「あんしんゴルフ」(ゴルファー保険)などを展開しています。

PayPayアプリから保険商品に簡単に加入できるミニアプリ「PayPayほけん(1dayほけん)」での累計加入件数は、2021年12月のサービス開始から約10カ月で、100万件を突破しております。引き続きユーザーの生活シーンに合わせた手軽に加入できる保険サービスを提供していきます。

保険をネット上の当たり前のサービスへ

保険サービスの展開にあたり、工夫された点や苦労された点はありますか?

ユーザーにとって、簡単でわかりやすいサービスに仕上げるのが大変でした。私は過去にEC事業にも携わっていたことから、ユーザーがECでお買い物するときと同じような感覚で保険に加入できるようにしたいと思いました。そこで、サクサク使えて便利な操作性にしたいと思ったのですが、保険業法やシステムの都合で、開発がうまくいかないことがたくさん出てきました。
ただ、これはユーザーには1ミリも関係がない話ですので、ユーザーファーストでサービスを開発するよう努めてきました。それ以外にも、リリース直後は「Yahoo!リアルタイム検索」でユーザーの声を調査し、わかりにくい点があれば改善するなど、日々ユーザー視点での改善を行っています。

関係者も多い中、社内調整などで特に意識されていた点はありますか?

絶対にメインのサービス部門の迷惑にはならないということです。基本的には、保険は主役ではなく付帯サービスなので、レジ横のガムを買うぐらいの手軽さで加入できたら良いと思います。保険だけが売れずに、きちんと家電が売れていく分にはまだ良いのですが、保険が止まったせいで「Yahoo!ショッピング」のサービスも止まるということは許されません。
そのためには、システムの堅牢性も重要だと考えています。我々のサービスはテレビなどで取り上げていただくこともありまして、1日に数万件の保険が売れることもあります。そういった際に、膨大なトラフィックに耐えうるシステムも重要です。サーバーダウンなどによって、ユーザーやメインのサービス部門へご迷惑をおかけすることはあってはならないので、そこはFusionの性能や可用性の高さに頼っている部分だと思っています。

まだ見ぬ保険のデジタル化に向けて、真正面から挑む

リードインクスとの取り組みで良かった点について教えてください。

一番は、日本で「シナリオ型保険」を企画する際に、海外のデジタル保険の成功事例を持ってきてくださったことです。日本の法制度を遵守した上でのローカライズが必要であり、全く同じサービスを日本で展開することはできないですが、成功事例がある限り、事業環境の中でうまくやれば実現できるであろうと思いましたし、保険会社さん側も含めて期待値が大きかったのではないかと思います。
海外での成功事例やUI・UXなどの参考情報をもらいながら、日本で「シナリオ型保険」を実現したところは、リードインクスさんと一緒に取り組ませていただいて非常に良かった部分だと思っています。

実際に「シナリオ型保険」をリリースして、最初の打率を見た時にはかなり驚きました。保険の付保率が7〜8%と、通常だと数年かけて到達する数字を発売当初から達成できたので、そこは嬉しい誤算でした。

最後に、Fusionを活用して、今後リードインクスと一緒に実現したいことや挑戦したいことについて教えてください。

直近の話でいきますと、今後はさらに商品の拡大をしていきたいので、システム開発や商品企画などを、ぜひリードインクスさんにはサポートいただきたいと考えています。今の「PayPayほけん」では、安価で短期の保険展開が主ですが、今後はさらに商品ラインナップを広げていきたいと思っています。今はまだ多くの方は保険加入時にネットでの加入が第一想起にはなっていないと思うのですが、今後は「保険に加入する」=「PayPay上で入る」という流れをつくっていきたいと考えています。ユーザー自身がまず「PayPayほけん」に欲しい保険商品があるかどうかを調べて、そのまま入れるなら入るというのが理想です。そうなると、今以上に商品ラインナップや商品改定も増えてくると思うので、Fusionの柔軟性や拡張性の高さといった強みも、より活きてくるのではないかと思っています。
すべての保険がデジタル化される訳ではないと思うのですが、デジタル化されてもいい部分や商品が、まだデジタル化されきっていないのだと思っています。これに誰がどのくらい真剣に取り組んで、真っ向からやるということが重要だと思うので、密なパートナーとして、リードインクスさんとは今後も一緒に挑戦し続けていきたいと思っています。

兵頭様、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。
 今後もリードインクスとして、お役に立てるよう尽力してまいります。

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