導入事例

デジタルマーケティングによる「お客さま本位の体験価値提供」の実現
──保険×デジタルの進化とは

MSプラスワン少額短期保険株式会社

事業内容 損害保険事業
URL https://aioinissaydowa.co.jp/
導入システム コンサルティングサービス

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下、あいおいニッセイ同和損保)とリードインクスは、テレマティクス自動車保険(https://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/service/telematics/update.html)をはじめとする“保険×デジタルマーケティング”領域で協働を進めてきました。本対談では、あいおいニッセイ同和損保の江口さま・菅原さま、リードインクスの田口・上野が、現場と戦略の橋渡し、ユーザーインサイトに根差した実行、そして今後の挑戦について語ります。



登壇者(敬称略)

  • あいおいニッセイ同和損保:
    • 江口 新介(ビジネスプロセスイノベーション部 デジタルマーケティンググループ グループ長、写真中央左)
    • 菅原 悠(ビジネスプロセスイノベーション部 デジタルマーケティンググループ 担当次長、写真中央右)

  • リードインクス:
    • 田口 智章(DXコンサルティング事業責任者、写真左端)
    • 上野 太一(マーケティング/事業企画、写真右端)

はじめに――“お客さま第一”をデジタルで拡張する

田口(リードインクス):まずは、貴社の概略とお二人のご経歴についてお伺いできますか?

江口(あいおいニッセイ同和損保):当社はMS&ADインシュアランス グループの中核企業として、全国のお客さまに高品質な保険商品とサービスを提供しています。「お客さま第一」に加え、当社独自の「地域密着」を掲げ、リアルとデジタルの融合で体験価値の最大化を目指しています。私は営業畑を長く歩み、リテール営業や法人営業を経て、現在ではビジネスプロセスイノベーション部 デジタルマーケティンググループのグループ長を務めています。営業現場で学んだ「お客さま目線での価値提供」を、デジタルを活用しながらどう実現するかが常に課題です。現場で聞いた声や肌感を忘れず、戦略構築と実行を行っていきたいと考えています。

菅原(あいおいニッセイ同和損保):私はリテール営業から始まり、本社の営業企画、物流会社へ新規事業開発として出向するなど幅広い業務に携わってきました。特に新規事業では、従来の延長線ではなくゼロベースでの発想が求められるため、大きな挑戦を繰り返してきました。代理店中心の業界構造の中で、デジタルを通じて直接お客さまとつながる試みは、今までにない新しい挑戦であり、社内でも大きな関心を集めています。リードインクスさんとの協働を通じて、現場の声やお客さまのニーズを戦略に組み込むことの大切さを改めて実感しています。

上野(リードインクス):江口さまと菅原さまが現場のご経験を踏まえて、戦略構築と実行を担われているという点で、非常に納得感があります。今回のプロジェクトでは、戦略論だけでなく「どう現場で動かすか」という視点を常に共有いただけたのは非常にありがたかったです。そのマインドがチーム全体に浸透していると感じました。

ご支援の背景――“理想論”ではなく“実現可能な戦略”へ

田口:これまでいくつかのプロジェクトでご一緒してきましたが、改めて今回リードインクスをご指名いただいた背景を教えてください。

江口:リードインクスさんは、保険業界の深い理解に加えてUI/UXやデジタルマーケティングの知見を持ち、さらに「改革への熱意」と「実現可能性にこだわる姿勢」が非常に心強いと感じています。単なる理論や理想論ではなく、実際に現場で動かすために必要な視点を持ち合わせている点に魅力を感じました。現場での伴走姿勢や、些細な課題にも耳を傾けていただける姿勢は、プロジェクトメンバーの信頼感にもつながっています。

菅原:私が特に印象に残っているのは、ご支援の初期段階で提案いただいた弊社のテレマティクス保険のキャンペーンメールにおけるUI改善の提案内容です。改善理由から施策の方法、その結果どのようなインパクトが出るのかまで、非常に具体的で説得力がありました。その積み重ねが、我々のKPI改善や新しい取り組みの推進力につながりました。業界に詳しい方と、UI/UXに詳しい方がチームに混在していることも特徴的で、バランスの取れた提案をいただけるのが大変ありがたかったです。

田口:私たちも、現場の皆さまと壁打ちを重ねながら“実現可能な戦略”に落とし込むことを重視しています。理想論を語るだけではなく、共に汗をかいて実行に移すことが私たちのスタイルです。

取り組みの全体像――KPI達成に向けた“横串”の推進

田口:今回のご支援はデジタルマーケティング全般の伴走でした。具体的な取り組みをお聞かせください。

江口:テレマティクス自動車保険を多くのお客さまに届けきることを目指し、セーフタウンドライブコンテスト(https://safetowndrive.jp)におけるデジタルアプローチ推進や、オウンドメディア「hints!」(https://webmedia.aioinissaydowa.co.jp/)を立ち上げ、データ分析、あいおいニッセイ同和損保アプリ(以下ADアプリ)施策の検討などを行いました

菅原:保険アプリは従来“関心を持たれにくい”存在でしたが、弊社のADアプリはお客さまの運転を見える化し、安全運転を促す特徴があります。そこをどう魅力的に伝え、日常的に使っていただくかが課題でした。リードインクスさんのユーザーインタビューは、その課題を打破する大きな手がかりとなりました。ユーザーが実際にどんな瞬間にアプリを開き、何に価値を感じるのか、どんなストレスを抱えているのか。定性的な声は戦略策定だけでなく、社内説明の場でも非常に有効でした。お客さまの生の声を根拠にできることは、机上の議論を一歩前に進める強い武器になり、契約者さまはもちろんのこと代理店さまにもアプリの魅力を届けるのに寄与すると考えています。

田口:ADアプリを日常的に利用し運転レポートを閲覧されている利用者は、閲覧していない利用者と比較し、約22%事故頻度が低いという結果が出ていると聞いています。
このファクトはADアプリを利用することで安全運転が促進され、事故の頻度が下がる傾向があることが示されており、保険を起点とした非常に大きな社会的価値だと感じています。
我々としても、現場メンバーの前向きな姿勢に助けられました。密なコミュニケーションで組織横断の議論が進み、施策がスムーズに動き出すのを感じました。施策を一つひとつ積み上げていく中で、現場の手応えが確実に増していくのを共に実感できたことが大きかったです。

成果を生んだ要因――ユーザーインタビュー×データ分析のアプローチ

江口:ユーザーインタビューから得られたユーザーからの生の声と、利用データを分析して得られた定量データを分析し、具体的なアウトプットの改善に繋げました。数字とストーリーの両方で施策を語れるようになりました。

菅原:当社は代理店を通したお客さまとの接点が多く、お客さまの声を直接聞く機会は多くはありません。だからこそ、ユーザーインタビューを通じて「アプリをどのように利用し、どんな価値を感じているのか」を把握できたことは非常に大きな意味を持ちます。

田口:私たちも「数字に出にくい価値」をどう可視化するかに注力しました。事故率低減や安全運転促進といった社会的価値を、お客さまの声と結び付けて施策に反映させたのは今回の特徴です。数字と体験を結び付けたことで、プロジェクト全体に一貫性が生まれたと感じています。

上野:仮説をインタビューで立て、それをデータで検証する。この二重構造で精度を高めながら、スプリント単位で改善を繰り返しました。小さな改善の積み重ねが重要だと考えています。

プロジェクト運営――“ともに作る”伴走体制

上野:外部パートナーとして単に提案するだけではなく、様々な関連部署を巻き込み、現場に深く入り込み「一緒に作る」ことを大切にしました。現場メンバーが率直に意見を出してくださり、そこからさらに良いアイデアが生まれる。このオープンな雰囲気があったからこそ、施策改善がスムーズに進んだと考えています。

江口:構想から業務フロー、体制設計、技術実装、クリエイティブまで、一緒に取り組んでいただけました。外部の立場にありながらここまで寄り添ってくださったのは、本当にありがたかったです。今では現場での改善サイクルが自走し始めており、その成果を日々実感しています。

菅原:リードインクスの強みは「保険の深い知見」と「UI/UXの専門性」の両立だと思います。保険の常識にとらわれず、ユーザー目線で改善提案をいただけるので、新しい発見が毎回あり、非常に刺激的でした。

田口:我々としても「伴走型支援」の価値を改めて実感しました。施策の立案から実行まで共に走り続けられたのは、貴社の皆さまがオープンに向き合ってくださったからです。パートナーというより一つのチームのように感じています。

今後の挑戦――テレマティクス保険の価値を、もっと多くの方へ

田口:今後、リードインクスと一緒に実現したいことはございますか?

江口:テレマティクス保険の価値をさらに広く届けるため、ADアプリの利用促進を強化していきます。同時に、マーケティング人財の育成にも力を入れたいと考えています。短期的な成果にとどまらず、中長期で持続可能な変革を進めていきたいです。

菅原:お客さまへ直接メッセージを届けられるデジタルマーケティングの取組みは、お客さまへの提供価値をより大きくすることにつながると考えています。その実現をさらに推し進め、より多くのお客さまに「新しい保険体験」を届けたいと思っています。

上野:私たちも、各施策の効果検証を続けながら確実に成果を積み重ねていきます。貴社のカルチャーや前向きな姿勢と共鳴しながら、末永くご一緒できることを楽しみにしています。

田口:現場・経営・顧客をつなぐ視点を持つ皆さまと共に、今後も“変革を下支えする伴走者”であり続けたいと考えています。



※本記事で掲載している情報は、2025年10月6日時点のものとなります。

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