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  • 2024.3.19  レポート 

「InsurTech Connect Japan 2024」に協賛して、当社代表取締役社長 兼 CEO 柏岡が登壇しました

2024年3月12日(火)に東京・虎ノ門にて開催された、「InsurTech Connect Japan 2024」(主催:InsureTech Connect(ITC)、協賛:リードインクス(以下、当社))において、 当社代表取締役社長 兼 CEO 柏岡がパネルディスカッションに登壇しました。
InsureTech Connect(ITC)は、2016 年に米国ラスベガスで設立された保険業界におけるイノベーションと変革を目的とした世界最大の組織です。日本のインシュアテック市場の潜在力と需要の高まりから、2023年より日本でのイベントを開始しており、スタートアップ企業・大手企業・投資家などをつなげる、Plug and Play Japan株式会社がオフィシャルパートナーとなって連携しています。今回のイベントにおいても、スタートアップ企業、保険会社、投資家などが集まり、保険業界の成長やイノベーションなどをテーマにさまざまな講演が行われました。




今回のイベントにおいて柏岡は「Insurtechのサムライ達 日本の保険業界の発展をリードするスタートアップ」のパネルディスカッションに登壇しましたので、その内容の一部をお伝えします。


【プロフィール】
柏岡 潤(かしおか じゅん)
リードインクス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
2006年にソフトバンクに入社後、法人/個人向けセールスに従事。2017年に新設されたデジタルトランスフォーメーション本部に異動して、多数の企業と事業共創/事業開発をリード。2018年からはFintech領域を主軸として、現在はFintech事業推進の責任者および子会社でInsurTech事業を手掛けるリードインクス株式会社の代表取締役社長 兼 CEOを務める。

―ゼロイチを生み出すために、起業にあたっては保険業界のどのような部分に注目しましたか?

柏岡:7年前、親会社であるソフトバンクのデジタルトランスフォーメーション本部においてさまざまな新規事業を立ち上げる中で、多くのデジタルタッチポイントをつくっていこうという機運がありました。それまでも保険会社がデジタルで保険を届ける仕組みとして、Web上でのダイレクト販売は行われていましたが、今後、さまざまな事業会社が持つアプリやWebサービス越しに保険を販売する際には、より柔軟なシステムが必要であるということで、そのような点に着目して事業をスタートさせました。その当時、ソフトバンクのグループ企業として、Yahoo! JAPAN などのサービスを展開し、デジタルタッチポイントを豊富に持つヤフー株式会社(現在のLINEヤフー株式会社)を持っていたため、事業連携を依頼しました。マーケティングを柔軟に実施したい、商品をブラッシュアップしたいという保険会社のニーズに応えるべく、保険業界のDXを牽引するためのビジネスとしてスタートさせました。

―エンベデッドインシュアランス(組み込み型保険)において、数年前と比較して市場の変化などはありますか?

柏岡:事業をスタートさせた7年前と比較しますと、エンドユーザーのLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を目的に、日常の中で使っていただけるアプリやWeb上のコンテンツをつくっていこうという戦略を立てている企業が非常に増えてきている印象があります。LINEヤフー株式会社のように、そもそもトランザクションが多いサービスに対して保険を付帯していくことは当たり前の話でした。ですが、最近では、スマートコントラクト(契約履行管理の自動化)を活用している不動産業界や、ポイント・マイルなどの経済圏ビジネスを行っている企業において、非本業分野におけるユーザータッチポイントを強化する動きが強まってきており、エンベデッドの保険を販売する機会は日本でも増えてきていると感じています。
一方で、日本の企業におけるデジタル戦略、システム戦略、ビジネス戦略を描くのは非常に難しく、上流から検討したご提案を行い、実際にシステムに組み込んで保険を販売するとなってくると、保険代理店はそこまで体力があるわけではないので、我々のようなイネーブラーが持っているデジタル保険の販売ノウハウや成功事例をもとに一緒に伴奏していかないと、うまくいかないのではないかと感じています。そのため、私どもの方でエンドツーエンドでご支援することが大事だと思っています。

―5年後、10年後に保険業界はどのように変化していくでしょうか?

柏岡:日本における最大の社会課題である少子高齢化に対して、その課題を保険業界のみなさまと共に解くことができたならば、そこでつくりあげたソリューションを海外に展開することができるのではないかと思っています。特に、医療・介護などの領域においてはまだまだデジタル化の余地があると思っており、非保険分野の企業と保険会社が一緒に取り組んでいくイノベーションにおいては、間違いなくさまざまな形で保険業法の改正や新しい実験場のような取り組みが必要になってくるのではないかと感じています。
また、日本において東南アジアの「Grab」のようなスーパーアプリを作ろうと思っても、なかなか実現が困難な状況があり、5年後、10年後にそのようなアプリが存在しているかというと難しいと思っています。やはり各業界の主力企業が持つアプリがあって、例えば小売業界においては、自分の家の最寄りに店舗があるならば、その企業のアプリを使うことになると思います。しかし、仮に引越しをした時に、その企業の店舗があるエリアをわざわざ選んで住むかというとそうではないので、そのようなアプリやサービスが銀行・交通・携帯キャリアなどのさまざまな業界でどんどん誕生してくると予想されます。その際に、保険会社においては、柔軟で多面的なアプローチができる機動力のある構えをとっておく必要があると思っており、そのような部分を私どもの方でご支援できるかと思っています。今お伝えしたような未来を想像しながら、5年後、10年後を見据えて事業を進めていければと思っています。

―最後に、聴講者のみなさまへメッセージをお願いします

柏岡:この業界に入って、保険の力の素晴らしさに気付かされています。一方で、保険に対してネガティブな印象を持っている人が一定数いるのも事実でして、ただ、これは保険が不要なのではなく、保険の価値の届け方を変えるタイミングに来ているのではないかとも思っています。従来型の販売方法、商品、プロセス、分析の仕方などをマーケットの声を聞きながら商品に反映していくというプロセスを通じて、インターネット時代におけるモノのつくり方を再考していく必要性が高まってきているのではないかと感じています。そういった時代背景も踏まえて、リードインクスとしては、金融以外の領域においても保険業界の地位向上ができるようなご支援をしていきたいと思っています。


リードインクスは今後も国内外のさまざまなイベントへ積極的に登壇し、日本のInsurTechの発展に貢献していきます。

イベント概要については、以下のイベント公式サイトをご確認ください。

◆InsurTech Connect Japan 2024
https://asia.insuretechconnect.com/japan